ギター・ウクレレ教室 Talking

奈良県桜井市のギター教室

 

コラム

現在Talkingまたは他教室に通われている生徒さんや、音楽教室に興味をお持ちの皆さんに向けて、自分がこれまでの講師生活において、経験したことや感じたこと、楽器指導に対する考え方など、どうでもいい話から少し固い話までざっくばらんに自分の思考を書いています。


レッスンのメカニズム

※このページは、上達することを目的に入会される生徒さんを対象に書いています。

個人レッスンの場合、1回30分~45分で月3~4回という教室が多いです。まれに60分レッスンが月2回という教室もあります。
私の教室では30分、45分、60分のいずれかで月3回からにしていますが、私が過去に教えていた教室でも1回30分という教室がほとんどでした。

個人レッスンが何故このシステムになっているか解りますか?
もちろんこのシステムには理由があるのですが、楽器未経験者にはその理由が解らないという人が意外と多いのです。

例えば、初心者の生徒さんの中にはこんな質問をする人がいます。
「たった30分しかないの?短いですね」
「30分教えてもらったくらいで、本当に弾けるようになるの?」
「早く上達したいので、週3~4回通わせて下さい」
「この教室では、宿題は出ますか?」

これらの質問は、その人が楽器未経験で、レッスンというものを根底から勘違いしていることを意味します。

何を勘違いしているかというと、
上のような質問をする人は、レッスン時間が楽器を練習する時間で、レッスンの回数や時間に比例して上達していくものと思っているからです。

少し乱暴な言い方をすると、「弾き方を教わるだけで楽器が弾けるようになって、レッスンをたくさん受ければ早く上達する」という勘違いをしているわけです。

ただレッスンをたくさん受ければ早く上達するという単純な話なら、上達するのは簡単ですが、現実はそう甘くはありません。

楽器というものは、弾き方を教えてもらうことで上達することはありません。
正しい動きを反復し、身体に覚えさせる訓練を一定期間続けることによって身についていきます。
これを一般的に「練習」といいます。

私がレッスンで生徒さんにお伝えすることは、その「練習の方法」です。
つまりレッスンというのは、練習のやり方を教わる時間であって、練習する時間ではないということです。
練習の方法を知ったところで、それを実行しなければ上達することはありません。(当たり前です)

要するに、ただ習いに来ただけで楽器が弾けるようにはならないというわけです。

では、どのようにして上達するのか。

レッスンで正しい練習方法を習い、習った内容(課題)を家に帰って反復し、次のレッスンに備えます。
次のレッスンでは、前回の内容(課題)が習得できていれば次のステップへ進み、次の課題をもらいます。
そしてまたその課題をマスターするために練習します。

こうして少しずつ階段を上がっていくように「正しい練習」を積み重ねていきます。

これがレッスンの本質で、人が楽器を上達していくメカニズムです。

練習のやり方だけを知ってもそれを実行しなければ意味がないし、たくさん練習してもやり方が間違っていては上達しない。簡単な話です。

このことは私の教室に来られた人には必ず最初に伝えています。

レッスンというのは、定期的に決まった間隔で受けるのが鉄則です。
間隔が開き過ぎず、つまり過ぎずです。

特に初心者(初級者)ほど、これは重要です。

習った内容(課題)は、次のレッスンまでにある程度身につけておかなければ次のレッスンを受講する意味がないし、間違った弾き方で練習を進めてしまった場合でも、直ぐに矯正できます。

だから間隔を開け過ぎず、つまり過ぎず受講することが理想的なんです。

何より、毎日練習する習慣をつけるには定期的に決まった間隔でレッスンを受けることが本当に重要です。

理想は週1回のペースです。
ですが週1回のペースではハード過ぎると感じる人もいるので、私の教室では基本は月3回で、上達意欲の高い人にはレッスン時間を長くしたり、回数を追加できるようにしています。

日々の練習量が多く、課題をクリアするのに余裕のある人はレッスン時間を増やしていくと効果的です。

このように、音楽教室のシステムは然るべき理由があって、レッスン時間や回数が設定されています。


質問と答え

「1回たった30分しかないの?短いですね」
30分のレッスンで習った技術を修得するには、何十倍もの時間を要します。

「30分教えてもらったくらいで、本当に弾けるようになるの?」
教えてもらっただけでは弾けるようにならないです。筋トレのやり方を教わっただけで筋肉がつかないのと同じです。

「早く上達したいので、週3~4回は通わせて下さい」
早く上達したければレッスン時間を増やすのではなく、日々の練習時間を増やしましょう。

「この教室では、宿題は出るのですか?」
音楽教室は、宿題(課題)をもらうために来る所です。

西沢恭輔の写真

西沢恭輔