ギター・ウクレレ教室 Talking

奈良県桜井市の音楽教室

 

コラム

現在Talkingまたは他教室に通われている生徒さんや、音楽教室に興味をお持ちの皆さんに向けて、自分がこれまでの講師生活において、経験したことや感じたこと、楽器指導に対する考え方など、どうでもいい話から少し固い話までざっくばらんに自分の思考を書いています。


エレキギター弦の基礎知識

今回はエレキギターの弦の選び方についてのお話。

エレキギターの弦といえば、多くのメーカーがあって、各メーカーに材質や太さの違ったものなど、様々な種類の弦が存在しています。

あまりに種類が多すぎて、どれを買ったらいいか分からない人も多いことでしょう。

エレキギターのことに詳しくて、いつも自分で好みの弦を選んで使っているという人はそれでいいです。そのまま好きな弦を使ってください。

今回は初心者(初級者)の人や、どれを買っていいか分からない人のためのアドバイスです。

まずは、弦の素材について。
エレキ弦の素材は主にニッケルとステンレスの2種類あります。(他にもあるのかな?)

多数派はニッケルです。ステンレスは少数派。

ニッケルかステンレスか、これは初心者(初級者)にとっては正直どちらでもいいでしょう。

素材によって音質や感触が変わるのですが、始めたばかりの頃はあまり違いを感じ取ることはできないと思います。なので、少し経験を積んでから素材の違いを学んで、自分の好みの弦を選べばいいでしょう。

次に太さです。
これは重要なので、間違った選択をしないよう基礎知識をしっかり学んでください。

弦の太さのことをGAUGE(ゲージ)といいます。

パッケージにはライトゲージ、ミディアムゲージ、ヘビーゲージなどと表示してありますが、これはあまり気にしない方がいいです。この呼び名はメーカーが勝手に定めた呼び名だからです。

実際の各弦の正確な太さは、パッケージの裏側などに記されているので、それで確認します。

では、どの太さの弦を選べばいいかについてお話します。

実はこれはギターによって違います。

なぜかというと、ギターによってスケールが違うからです。
スケールというのは、ナットからブリッジまでの距離(弦長)のことです。

スケールが違うと弦のテンション(張りの強さ)が変わるので、同じ太さの弦を張った場合でもスケールの長いギターではテンションが強くなり、逆に短いギターではゆるくなります。

弦のテンションというのは、音や弾きやすさに大きく影響します。

なので、テンションが強くなるスケールの長いギターには細い弦を張り、逆にテンションがゆるくなってしまうスケールの短いギターには太い弦を張るのが一般的です。

ギタリストたちはなるべく太い弦で弾きたいと思っているものです。

なぜかというと、太い弦ほど太くていい音がするからです。

しかし、弦のテンションが強くなると指が痛くなったり、チョーキングやビブラートが難しくなるので、やたらと太い弦にするわけにいかず、適度なテンションを得られる太さの弦を選択しているのです。

特にこれから技術を身につけていこうとしている初心者(初級者)は、ベストなテンション感を得られる、ギターのスケールに合わせてた太さの弦を選ぶべきです。

エレキギターには大きく分けて3種類のスケールがあります。

最も長いのがストラトキャスターやテレキャスターで648mm。これを一般的にフェンダースケールと呼びます。

二番目に長いのがレスポールやSG、ES335で628mm。これは一般的にギブソンスケールと呼びます。

ギブソンスケールより更に短い609mm以下のムスタングやデュオソニック、その他ジュニア用として作られたギターをまとめてショートスケールと呼んでいます。

ショートスケールのギターは子供を除いて使っている人が少ないし、私もほとんど弾いたことがありません。

なので、ほとんどの人がフェンダースケールかギブソンスケールのどちらかのギターを使っていると思います。
(この3種類にあてはまらないスケールのエレキギターもいくつか存在しているようです)

では、それぞれのギターに適した太さを解説します。

ストラトキャスターやテレキャスターのようなフェンダースケールのギターには、1弦.009インチ〜6弦.042インチのセットがいいでしょう。(一般的にゼロキュー〜ヨンニといいます)

最も長いフェンダースケールは当然弦のテンションが強くなるので、太い弦だと弾くのが難しくなってしまいます。

私はストラトキャスターには、09〜42セットより一段上の1弦.010インチ〜6弦.046インチのセットを好んで張っていますが、ギターを始めて間もない頃は09〜42セットを張って練習していました。

09〜42と10〜46では、フェンダースケールのギターに張った場合、弾きやすさ、難しさがかなり変わってしまいます。

私の印象では初級者に10〜46は難しすぎるように感じます。挫折しないためにも初級者は09〜42セットをおすすめします。

レスポール、SG、ES335のようなギブソンスケールのギターには、1弦.010インチ〜6弦.046インチのセットがいいでしょう。(一般的にイチゼロ〜ヨンロクといいます)

ギブソンスケールはフェンダースケールに比べてやや短いので、同じ太さの弦ではフェンダースケールの場合に比べてテンション感がゆるく感じるはずです。

初心者にはあまり違いが分からないかもしれませんが、経験の豊富なギタリストにはこの違いがとても大きく感じます。

弦のテンションがゆる過ぎるギターって、実はとても弾きづらいのです。
ギターにはそれぞれ適したテンションがあります。

なのでギブソンスケールのギターには10〜46セットをおすすめします。

最後にショートスケールのギターですが、これは私自身も経験がないのではっきりとしたことは言えませんが、ムスタングやデュオソニックには10〜46と11〜49のセットを使っている人が多いみたいです。

ギブソンスケールより更に短くなるので、もう一段上の11〜49セットを使っている人と、少しゆるめのテンションで10〜46セットを使っている人がいるということですね。

ギターの弦はメーカーや種類によって、音とフィーリングがそれぞれ違います。

交換のたびに種類の違う弦を張ってみて、音やフィーリングの違いを確かめていくのも勉強になるでしょう。

西沢恭輔の写真

西沢恭輔