ギター・ウクレレ教室 Talking

奈良県桜井市の音楽教室

 

コラム

現在Talkingまたは他教室に通われている生徒さんや、音楽教室に興味をお持ちの皆さんに向けて、自分がこれまでの講師生活において、経験したことや感じたこと、楽器指導に対する考え方など、どうでもいい話から少し固い話までざっくばらんに自分の思考を書いています。


ロールモデルを見つけておこう

「ロールモデル」という言葉を知ってますか?

ロールモデルとは、自分にとっての行動や考え方の模範となる人物のことです。
仕事や勉強、スポーツ、芸術、家事や子育てなど、どの分野においても知識や技術を学ぶ上での手本となる人物は全てロールモデルです。

ロールモデルの存在は、物事の習得に大きな影響を与えてくれます。

なるべく身近な存在である方が、成長により好影響をもたらしてくれるようです。

楽器の習得においても、ロールモデルがいるか否がで上達のペースは大きく変わってきます。

今回は、ロールモデルの見つけ方と、その存在のメリットについて私の考えを紹介します。

もしあなたがギターもしくはウクレレを上手くなりたいと思っているなら、最低でもひとりのロールモデルを必ず見つけておくべきです。

音楽のジャンルや演奏スタイル、基礎練習、音楽理論、メンタルトレーニングなど、何を学ぶかによって参考にする対象は変わってくるものなので、人数は多い方がいいでしょう。

プロのミュージシャンでも、ギター(ウクレレ)系ユーチューバーでも、音楽教室の先生でも、家族や友人、職場の同僚、学校の先輩、親戚のおじさん、誰でもいいので少なくても一人は、「自分もこの人みたいになりたい」と思える人を見つけて下さい。

「絶対この人みたいになってやる!」と強く思える人なら最高です。(ここ重要)

その人があなたにとってのロールモデルです。

できれば直接会って話が聞ける人や、コンタクトが取れる人が望ましいです。

自分が習っている先生や身近な友人のように、会って直接質問したり相談できる相手だとベストですが、今はSNSやオンラインサロンなどを通じてユーチューバーにもコンタクトが取れることもあるので、それもいいかもしれません。

ここで大事なポイントは、あまりにレベルが違い過ぎて到底その人には追いつけない雲の上の存在のような人ではなく、できれば数年から10年後くらいにはその人のレベルに追いつけるであろう人物を選んでおくことです。

例えば、野球を始めたばかりの小学生の場合なら、「一流のプロ野球選手とかではなく、同じチームで一番上手い上級生をロールモデルにする」という感じのイメージです。

陵南高校の相田彦一は、1学年先輩の仙道君をロールモデルにしていましたよね(有名な話でしょ?)

あまりに現時点での実力が違い過ぎると、技術や知識、経験値の差が大き過ぎるあまりに、自分の理解力が追いつかず、現実的に参考にするのが不可能になってしまいます。

ですが、「今はまだ追いつけていないけど、頑張れば近い将来その人のレベルに追いつけるかもしれない」という相手であれば、よりリアルに多くのことを参考にして実践することができるようになります。

だから数年後には追いつける可能性が高くて、直接コンタクトが取れる身近な人が理想なわけです。

その人が以前取り組んでいた練習と同じことを自分もやればいいのです。

その人の考え方や行動を真似ることで、確実にその人に近づいて行くことができるはずです。

私が高校生の時の話です。
期末テストが近づいていたある日の授業で、「ここは大事な内容だからしっかり勉強するように」と先生が言いました。

「ここは大事な内容だ」なんて、教師は度々言うものですよね。
なのでそういう台詞を聞いても、特に記憶に残らないというか、心に響かないんですよね。先生の言っていることは正しいはずなのに。

ところが、クラスで一番成績のいいクラスメイトが「ここは過去のテストで必ず出題されているから、勉強しておいた方がいいと思う」と言って、真剣に勉強している様子を側から見ていると、とても説得力があるのです。

「彼が言うのだから、本当に勉強しておいた方がいいかも」という気にさせられてしまうわけです。

こういう経験ってありませんか?

先生が言っていることはもちろん正しいはずなのですが、なぜか先生よりもクラスメイトの言葉の方が心に響いて、説得力があるんです。

私が専門学校でギターを学んでいた時も、似たようなことはよくありました。

クラスメイトより先生の方が知識も経験もずっと上のはずなのに、クラスメイトの言動の方が説得力を感じるなんて、これは一体どういうことでしょうか。

私はギターとウクレレを教える立場になって、生徒さんに知っておいてほしいことや、絶対に理解すべきだと思うことを何とかして伝えたいと常に思っているのですが、私の指導を100%無条件に信じて受け入れられる生徒さんはとても稀です。

自分に都合のいいことは簡単に受け入れられるけど、都合の悪いことは受け入れられない。受け入れた方がいいことは解っているが、100%受け入れられずにいる生徒さんがほとんどのように感じています。

これは、「先生は自分とは違う」という心理が働いているせいだと私は思っています。

指導者という立場の人間って、「理想を言う人」とか、「一般的に“これが正しい”とされていることを伝える人」という認識が、誰でも多少はあるのではないでしょうか。

「自分は先生と育った環境も違うし、持って生まれた能力もきっと違うだろうから、自分は先生と同じようには出来ない」とか、「先生の言っていることなんて理想論で、現実は全然違うよ」、みたいな感情です。

思うように行かなくなった時ほど、人はこういう感情を持つものでしょ。(私もそうでした)

あまりに立場の違い過ぎる人の言葉は、時として相手には響かないものなのです。

こんな時に心強い味方になってくれるのがロールモデルの存在です。

無意識にでも「先生は自分とは違う」と感じているなら、自分と似た人、つまり自分と同じような境遇の人を探して、目標になりそうな人がいればその人を模範とすればいいのです。

すでにロールモデルを見つけている人は、その人の言動をよく見てみましょう。

その人がどういう考えをしていて、どう行動しているか。
深く深く、じっくりと観察しましょう。

そうすれば、目の前にある壁を乗り越える方法が解ってくるはずです。

自分が目標としている“あの人”(ロールモデル)のようになるにはどうすればいいか?

答えは実にシンプルです。

その人と「同じことをする」だけです。

もしあなたのロールモデルが、1日の多くの時間を音楽を聴くことに使っていると言うなら、あなたも同じように音楽を沢山聴かなければなりません。

基礎練習を毎日継続していると言うなら、あなたも同じことを実践するべきです。

楽器や機材のメンテナンスは定期的行なっているというなら、あなたもそれを見習いましょう。

「これくらいのレベルの演奏が出来るようになるのに5年はかかった」とロールモデルが言うなら、恐らくあなたもそれくらいかかるものと思っておくべきです。

読譜や音楽理論の習得も、自分に必要かどうか迷った時はあなたのロールモデルをよく観察してみましょう。

自分が今何をすべきか解らなくなった時は、必ずロールモデルを参考するのです。

もしあなたが目標にしている人物と同じレベルに辿り着きたければ、「その人と同じだけのことをしなければならない」ということを決して忘れてはなりません。

楽器の世界には、初心者さん特有の“おかしな妄想”というのが存在します。

これはいわゆる音楽教室の“あるある”なのですが、
例えば、「自分が理想にしている曲が数ヶ月で上手く弾けるようになる」とか、「自分はソロギターを弾きたいので、ソロギターから始めた方が近道」とか、「ただレッスンに通ってさえいれば、そのうち弾けるようになる」とか、「1年レッスンを受ければ自分もプロのようになれる」といった根拠のない謎の思い込みです。(本当にあった怖い話)

これらは大抵、その人にロールモデルとなる人が存在していないか、あるいは存在していてもまるで観察していないことが原因なのです。
参考にする人がいない、参考にしようとしていないから現実が見えないのです。

初心者は経験がないんだから、無知で当たり前です。
ですが、もしその人の身近な所に手本になる人がいて、その人をよく観察していたら、おかしな思い込みをしたり誤った認識が生まれていないかもしれません。

現に同じ初心者さんでも、お手本になりそうな先輩たちをよく見て勉強している人は、おかしな妄想を口にしたりしないし、いつも気づきが早くて成長が早い傾向にあるのです。

だからロールモデルの存在はとても大切なんです。

最後に、私のロールモデルについてお話しておきます。

私は20代前半まではプロの先生からレッスンを受けていたので、自分が習っている先生をロールモデルにしていました。(当時はロールモデルという言葉も知りませんでしたが)

専門学校時代はギターの先生が何人もいたので、その先生たちの魅力的な部分をいつも参考にしていました。
ですが、やはり自分とのレベルの差が大き過ぎて、学びきれていないことが多かったと思います。

今は直接指導を受けている先生がいないので、教則本やレッスン動画を通じてプロギタリストの人たちから演奏や練習方法を学んでいます。

西沢恭輔