ギター・ウクレレ教室 Talking

奈良県桜井市のギター教室

 

コラム

現在Talkingまたは他教室に通われている生徒さんや、音楽教室に興味をお持ちの皆さんに向けて、自分がこれまでの講師生活において、経験したことや感じたこと、楽器指導に対する考え方など、どうでもいい話から少し固い話までざっくばらんに自分の思考を書いています。


エレキとアコギで迷ったら

これからギターを始めたいけど、エレキギターとアコースティックギターで迷っているという人のために、私の考えをお話ししたいと思います。

エレキギターとアコースティックギター、楽器としての魅力とか、得意な表現とか、似ているけど深く追求していくと違いは沢山あります。

どちらにするかを決めたければ、まずはエレキギターとアコースティックギターの演奏を沢山観て、聴いてください。

これからギターを始めようという人や、始めたばかりの人って、ほとんど音楽のことを知らないというか、あまり音楽を聴いていない人が多いように感じます。

私もギターを始めたばかりの頃から音楽やギターのことをよく知っていたわけではないし、知らないことが悪いわけではないのですが、今の時代はインターネットがあるので、動画サイトや音楽配信サービスなどで簡単にギターの演奏が観たり聴いたりできるので、積極的に聴いていくべきだと思います。

いろんな音楽を聴いてみないと、自分が目指したいことも見えてこないでしょ?

それで、エレキギターの演奏の方が好きだと思えばエレキを選ぶべきで、アコースティックギターの演奏の方が好きならアコギを選ぶべきでしょう。

どちらも好きな人は、好き度合いの強い方を選べばいいと思います。

もし、どうしてもエレキとアコギの好き度合いが同じぐらいで、どっちにするか決められないという人は、アコギを選んでください。

実はエレキとアコギはコードの押さえ方やメロディの弾き方などは全く同じで、初歩的な演奏においては大きな差はありません。

なので、エレキから始めて後にアコギに転向することも、アコギから始めて後にエレキに転向することも、どのタイミングでも問題なく可能なんです。

ただ、「どっちから始めるか」だけの話です。

本格的に演奏活動しているギタリストたちは、ほとんどの人がエレキとアコギの両方を弾きます。
演奏する曲によって使い分けるというのが一般的です。

では、なぜ私がアコースティックギターをすすめるのかお話します。(ここからが本題)

なぜかというと、アコギに比べてエレキギターには不便な点が多いからです。

まず、エレキギターはアンプがなければ音が出ません。

そして必ず電気が必要です。電気のないところでは弾けないのです。

例えば、天気のいい日に公園とかで練習したいなと思った場合、アコギなら手軽に持ち出せますが、エレキは発電機を用意するか、電池で動くアンプが必要です。

友達の家で一緒に演奏したり、アンプの置いていない場所で弾きたい時も、いちいち重いアンプを運ばなければならないので面倒。

もうひとつの大きな弱点は、故障が多いこと。

家電製品と同じで電気を使って動かしているので、接触不良や配線の劣化によって音が出なくなる時が必ず来ます。
大抵の場合は予兆がありますが、突然起こることもあります。

ギター、ケーブル、アンプ、このうちのどれか一つにでも異常があると、ノイズが出たり、音が出なかったり、何かしらの問題が起こります。

私はギターもアンプもケーブルも複数所有しているので、何か異常を感じると、アンプを変えたりギターを変えたりケーブルを変えたりして、故障している箇所を特定して問題のあるものをリペアショップに持ち込みますが、1つずつしか所有していない人は故障している箇所が自分で特定できないので、一式を楽器店やリペアショップに持ち込んで異常の原因を探してもらい、そしてそれを修理に出すことになります。

故障の内容によっては手元に戻ってくるまで何日もかかることもあるので、戻ってくるまでは練習できなくなりますね。(これが一番問題なのです)

なので本格的に演奏活動しているような人は、ギターを複数所有しているのが普通で、常にメンテナンスを怠らないようにしています。

ギターを手に取ってチューニングを済ませ、「よし練習を始めるぞ」という時になって音が出ないと、どんな気持ちになると思いますか?

次にアコースティックギターはどうかというと、アコギは電気が不要なうえにほとんど故障がありません。

年に一度メンテナンス(点検)にさえ出しておけば、普段は特に問題はないし、生の楽器なので弦さえ張っていれば突然音が出ないなんてことにはなりません。

なのでエレキに比べて順調に上達しやすい、というか練習を進めやすいと言えるでしょう。

私はエレキとアコギの両方を同じくらい弾きますが、エレキとアコギでは、リペアショップに持ち込む回数がエレキの方が何倍も多いです。10:1ぐらいかな。

アコギは構造がシンプルなので、当然そうなるわけです。

もちろんエレキでも常にメンテナンスに気を配り、異常があればすぐに修理に出す習慣さえつければ、何てことないんですけどね。

特に楽器を始めたての頃は、毎日練習する習慣をつけることが大事なので、いつでも必ず音が出るということはとても安心感がありますね。

これらの理由から、エレキとアコギで迷ったら私はアコギから始めることを勧めます。
最初の基礎の部分をアコギで学んで、後にエレキギターに持ちかえて深く学んでいくというのもいい方法だと思います。

西沢恭輔の写真

西沢恭輔