コラム

現在Talkingまたは他教室に通われている生徒さんや、音楽教室に興味をお持ちの皆さんに向けて、自分がこれまでの講師生活において、経験したことや感じたこと、楽器指導に対する考え方など、どうでもよい話から少し固い話までざっくばらんに自分の思考を綴っていきます。

音楽理論とは

音楽理論という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

この音楽理論という呼び方が、あまり良くないと言われることがあります。
いかにも難しそな印象を与えてしまうからでしょうか。

他にもっといい名前は無かったのかな。

英語にすると、music theory(ミュージックセオリー)となるそうです。(こっちの方がいい気がします)

今回はこの「音楽理論」て、いったい何なのかというお話。

一般的には、音楽の文法のようなものと捉えられることが多いのですが、今回は少し違った角度から説明します。

結論から言いますと、音楽理論とは、

「さほど才能のない人でも、才能のある人のように上手く演奏するための方法」

ということになります。

これはあくまで私の解釈です。
私なりに、音楽理論の本質を短く言語化しただけです。

方法といっても、それほど明確なわけでなく、才能のある人と同等レベルに演奏できるまでにかかる時間が短くて済む、くらいのものです。

なので、音楽理論を全て理解したからといって、才能のある人と完全に同等になれると思わない方がいいです。

才能のある人というのは、はっきりとした定義なんてないと思いますが、今は「音楽理論を必要としない人」という意味で使っています。

音楽理論を知らなくても、凄い演奏ができる人、素敵な音楽がつくれる人ということです。

ド・ミ・ソという3つの音を重ね合わせると、きれいに響き合います。
このきれいに響き合っている状態を、協和(きょうわ)といいます。

対して、ド・ミ・ファという3つの音を重ねた場合は、きれいに響き合いません。濁った響きになります。
このきれいに響き合わない状態を、不協和(ふきょうわ)といいます。

ド・ミ・ソの組み合わせなら協和し、ド・ミ・ファの組み合わせでは不協和です。
音の組み合わせによって、きれいに響き合うかどうかが決まるのです。

協和する3つ以上の音を重ね合わせた響きを「コード」といいます。
音楽はこのコードをつなぎ合わせて作られています。

重ね合わせた音によってコードの名前が決められていて、 ド・ミ・ソの3音を重ね合わせた響きを「Cコード」といいます。楽譜では C と表記されます。

このCコードに、さらに音を重ね合わせた場合、音によって協和する場合と協和しない場合が出てきます。

例えば、一人がピアノでCコード(ド・ミ・ソ)を弾いたとします。
それに合わせて、もう一人がギターで何かの音を弾くとします。

ギタリストはCコードと協和する音を選んで弾かないといけないことが理解できるでしょうか。

もし協和しない音を弾いてしまうと、不協和音となり、濁った響きになってしまいます。
これで演奏が不自然になり、音楽として成立しなくなっていきます。

もしかして、ギタリストは間違った音を弾いているのでは?という印象になります。

実は、この「間違っているのでは?」という感覚には個人差があって、
「今の音は不自然だ」と感じる人と、「これくらいなら、べつに違和感ないよ」と感じる人がいるのです。

なので、音楽は人によって感じ方が様々で、不協和音を弾いたら絶対に駄目というわけではないのですが、音楽として不自然になる確率が上がってしまいます。

ということは、ギター(ウクレレ)を上手く弾くには、協和する音の組み合わせを予め知っておく必要がありますね。

この協和する音の組み合わせには法則があって、その法則が音楽理論です。

どの音の組み合わせが協和して、どの組み合わせが不協和か、最低限勉強しておこうというのが音楽理論の考えです。
(ざっくりと簡単に言ってしまえばこんな感じ)

音楽理論はあくまで協和する音、しない音を整理しただけの知識なので、これを暗記しただけで楽器が上手く弾けるというわけではありません。

当然この知識を生かしていいプレイができるよう、沢山の練習が必要です。

音楽理論を全て理解することより、その知識を生かして上手く演奏できるようになる方が、遥かに長い時間を要します。

話が外れたので戻します。

音楽理論とはギター(ウクレレ)を上手く弾くための基礎知識のようなものだと言えるのではないでしょうか。

ギター(ウクレレ)を上手く弾くという、とても難しいことを少しでも簡単に、楽に、短い時間で成し得るための近道だとも言えます。

例えば、三角形の面積を計算する公式は「底辺×高さ÷2」です。
この公式を使えば、誰でも簡単に面積を計算することができる便利な計算式です。

もし、三角形を見ただけで面積が解ってしまう人がいたとしたら、その人は公式を知る必要がないはずです。

音楽理論って、この公式のようなものだと私は思います。

世の中には音楽理論を全く知らなくても、音を聴いただけで、瞬時に協和する音を見つけ出して、感覚だけで凄い演奏ができる人がごく稀にいるそうです。(なんとも羨ましい)

そういう特殊な才能のある人には、音楽理論は必要ないかもしれません。

人の心に響く音楽を感覚だけで瞬間的に創り出して弾くなんて、私のような凡人にできるはずがありません。
普通の人には無理だと思います。

なので、99.9%の人にとって音楽理論は必要だということです。

音楽理論を学ぶことで、才能のある人に近づけるのです。

特に自分の頭の中でイメージした音を自由に演奏したい人には、必要不可欠だと言えるでしょう。

私が通っていた音楽学校にも、当然音楽理論の授業があるわけですが、学生の中には、理論が得意な学生と苦手な学生がいました。

当時は音楽理論コンプレックスなんて言葉もあったくらいで、理論が苦手な学生たちは、音楽理論の授業を嫌っていました。

音楽理論は順を追って勉強していけば、全然難しいものではありません。

今まで自分が弾いていた曲に対する理解が深まり、演奏の自由度が増して、ギター(ウクレレ)を弾く楽しさが何倍にも広がります。

物事は何でも、深く理解して取り組む方が絶対楽しいと思いますよ。

私のレッスンでは、音楽の聴き取り方や楽譜の読み書きも同じですが、音楽理論も技術と並行して、初心者のうちから身につけられるようなカリキュラムにしています。